絆 〰 きっかけ、ご縁、そして行動!

第40弾の活動内容は報告書でご覧戴いた通りです。今日は、その中で生まれた新たなご縁について少し触れさせて下さい。

あすなろの活動はインターネットのYahoo掲示板から始まりました。2011年の5月から、それまではインターネットすら使いこなせないド素人だったんです。その頃は掲示板もすごく情報量があり、「支援/ボランティア」で検索すると何百、何千というサイトに繋がりました。私自身もあるサイトを専門に閲覧し、そのページで提供される物資や希望される物資を毎日見ていました。その内に自ら「書き込み」をすることを覚え、衣料品や雑貨などの募集を始めました。当初は10件にも満たない反応でしたが、やがて20件、30件と日増しにアクセスが増えてきました。何せ、インターネットの怖さを知らない頃でしたし、当方の素性を明かさないと信用して戴けないだろう、と氏名や住所はおろか、携帯電話番号、メールアドレスを全てオープンに書き込んでいたんです。今考えると何とも馬鹿な話ですが・・・。

その頃からご協力戴き、今日に至るまでずっとあすなろを気に懸けて下さる方が何人もいらっしゃいます。よく登場して戴く四国中央市のKさんのグループもしかり、石川、東京、千葉、埼玉、静岡、愛媛、などなどそのご縁は全国に広がりました。いまでも北は北海道から南は沖縄県まで、何らかの募集告知をすると必ず応えて戴きます。一時は「突撃訪問」と称して出張で行った先に何度も物資をご提供下さった方がいらっしゃれば厚かましくも顔を出す、ということもしました。勿論、一度だけご協力戴く方もあれば、匿名匿住所で送られたために連絡先すら解らないという方もありました。その中で、何度もご協力戴いている方だけでも直接御礼を申し上げたいという気持ちでした。(突然アポイントなしの訪問ですからさぞかし驚かれた方もあったと思います。)

先日、仕事で福岡県へ行くことがあり、その時に「NTS48」というグループ名でずっと東北の応援をして戴いているHさんに連絡してご挨拶させて戴く事になりました。このグループはキャンディやチョコレートを小袋に入れてメッセージを添えて当方へ、そして東北へ直接送って戴いています。最初ダンボール箱一杯のキャンディを見た時はすごく感動したのを覚えています。季節毎のイベント(バレンタインデーなど)に合わせて送って戴いているようで、勇人君のブログにも紹介されたりしていました。しばらく当方とは連絡が途絶えていたんですが、先月だったかに「大船渡からお礼のお菓子が届いた」という知らせを戴きました。その時に「必ずご挨拶に伺います」というような根拠のない返信をしていたんです。それから暫くして第40弾の活動に行き、報告書でも紹介した「ロールケーキ」を佐賀県から送って戴いた方を米子のみっちゃんからご紹介戴き、確か活動から戻った翌日か翌々日にフェイスブックで繋がらせて戴きました。間も無く、佐賀から会社までわざわざ手作りケーキを送って戴き、いつかは御礼を・・・と思っていた矢先、福岡行きの話が急に決まったんです。それも金曜日。このタイミングを逃したら口先だけのオオカミ少年(中年?)になってしまう、とばかりに早速博多のHさん、佐賀のNさんに連絡し、HさんとNTS48のメンバーさんとは金曜日の夜に、佐賀のNさんとは土曜日にお会いする約束を取り付けました。この点が良くも悪くも私の行動力、思い立ったが吉日、を地で行くような単細胞人間です。お客さんには失礼な話ですが、とにかく4年越しで初めてお会いするNTSさん、ご紹介戴いてから僅か2週間ほどでお目に掛かれるNさんのことばかり気になっていたのは事実です。昼過ぎには終わる予定の打ち合わせもこんな時だけは長引くもので、結局先方を出たのは夕方でした。久し振りの福岡だったので、ずっと電話だけのやり取りで済ませていた旧知の取り引き先にも何件か駆け足で回り、逸る気持ちを抑えつつ、Hさんの会社の駐車場へ滑り込んだのは午後6時近くだったと思います。駐車場まで出迎えて戴いたHさんを一目見て「あれ?人違い?」というのが最初の印象でした。過去のやり取りで、失礼ながら自分とさほど変わらない歳で、息子さんは大学生とお聞きしていましたのでそれなりの風貌(本当に失礼!)を思い描いていたんですが、実物は大違いでした。どう違ったかは写真からご想像下さい。

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皆さんご家族がありながらわざわざ夕食会を設定して戴き、支援の話、仕事の話、家庭の話ととにかく楽しく賑やかな一時を過ごさせて戴きました。自分の左がHさん、右がF課長さん、たえこさん、かよさんです。只でさえこんな場に遭遇することに慣れていない緊張感と、700kmの長距離運転の疲れで顔が引きつってますね・・・。F課長さんの粋な計らいでご馳走になってしまい、お土産まで頂戴しました。皆さん、本当にありがとうございました。m(__)m

翌日は佐賀県伊万里市へ。当初は単独での訪問だったんですが、今日の話をしていたらHさんが同行したい、とのお申し出があり、Nさんにもご了解を戴いたので奇しくも伊万里へ二人旅となりました。朝、ご主人様に送って来て戴いたHさんと挨拶もそこそこに都市高速から長崎道を経由してNさんとの待ち合わせ場所、伊万里市民図書館へ到着です。昨日初めてお会いしたとは言え、メールのやり取りなどで少しは緊張しないかな、とは思っていたもののやはり車中での話題が続かず、今更ながらシャイな自分に気付きました。(^^ゞ

Nさんのことはみっちゃんからも聞かされており、FBでのやり取りも拝見していたので、こちらも以前からの顔見知りのようで、改めてFBの威力を感じます。NさんにHさんを紹介しましたが、ご実家が佐賀県だというHさん、早速地元の話で打ち解けて戴いたようです。Nさんに最初にご案内戴いたのが「お寺カフェ 魅塾(みじゅく)」でした。ここは壹之寺の小島住職が運営する地域の文化等の発信拠点にもなっています。一歩中に入るとご住職こだわりのコーヒーの芳香が漂い、壁には様々なコーヒーカップが整然と並んでいます。お客さんが好みのカップを選べるそうで、こんな喫茶店が近くにあったらさぞかし入り浸るだろな、と思いました。

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お昼時でもあり、ご住職が「ランチ」を準備して下さっていました。ここでは「酵母料理」を出されているそうで、調味料を殆ど使わずに酵母の力で食材本来の旨味を引き出すそうで、これには平素ソースや醤油、塩、マヨネーズに大変お世話になっている私としては「薄味の精進料理なんだろうな」と正直期待していませんでしたが、出された料理を見たとたん、そんな邪念が吹っ飛びました。盛り付け、器だけでも「高級料亭」の雰囲気です。そして気になる味のほうはというと、予想に反して味が濃いんです。それも調味料の味ではなく、野菜の甘さが味覚音痴の私ですら感じます。煮物、汁物、サラダと堪能し、メインディッシュは何とステーキではありませんか!

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いやはや、恐れ入りました! 食べていると気のせいか身体の中から元気になって来るようです。ここには是非とも知人や家族を連れて来たいな、と真剣に思いました。ご関心のある方、一度ご一緒しませんか?ご住職の楽しいお話、深いお話もご馳走に華を添え、頭の上を飛び交う佐賀弁に苦笑しつつも実に素晴らしい時間を過ごさせて戴きました。ここでも「魅塾」のメンバーで、先の選挙で市会議員になられたMさんもご紹介戴き、現在小島住職を中心に「旧佐賀銀行楠久出張所跡を文化造形構造物として保存・利活用する」署名活動にも取り組んでおられます。郷土史の研究にも力を入れられているので、又の機会に改めてゆっくりお話を伺いたいものです。

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小島住職ご夫妻(後方左側)、今回お世話になったNさん(後列右)、市会議員Mさんとの記念撮影です。

後ろ髪を引かれつつ、次にご案内戴いたのが「遊遊窯」。こちらの作品はみっちゃんのFBでもよく紹介されており、代表のN山さんが「魅塾」の塾長を務められています。この時まで知りませんでしたが、2年前に鳥取県の大山で開催されたみっちゃん主催の東北応援コンサートに当方からステージとして大型車を走らせました。その場に小島住職、Nさん、N山さんも来られていたんだそうです。お会いしたのは今回が初めてでも、すでに2年前から繋がっていたんでしょうね。

遊遊窯のN山さん、元は美術教師で、市民大学にも携わっていらっしゃったそうです。陳列された器には見ているだけで頬が緩むような可愛らしいデザインと文字が表現されています。魚の図柄が多いのも気になっていましたが、お話をするうちに「根こそぎ丸」と名付けた船を所有され、趣味の釣りで釣れた魚をモチーフにされているとか。どうりで特徴を上手に捉えているはずです。ここでもHさんとの佐賀弁会話がさく裂し、どうやらNさんとHさんには共通の話題も多かったようで、時々難解(?)な佐賀弁を要約すると「世間は狭いな」ということらしいです。

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そしてここで待望のデザートタイム! Nさん、趣味でケーキ作りをされているんですが、その味は既に送って戴いたバナナケーキで確認済みでした。今回は、釜石で食べられなかったロールケーキをご持参戴き、遊遊窯のギャラリーで美味しく戴きました。

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左が送って戴いたバナナケーキ、右がコーヒー風味のロールケーキです。写真を撮るまでに食べてしまったので残念ですが、お土産に、とバラの花をかたどった「薔薇ップルパイ」というアップルパイを戴きました。これまた絶品であったことを付け加えさせて戴きます。早くも夏にはまたここで、という話で盛り上がり、頭の中で日程調整を始めている私に気付いたのは明らかです。

たくさんの思い出を土産に、Hさんと福岡へ戻る途中、唐津の「虹の松原」へ案内して戴きました。生憎の曇り空でしたが、鏡山の展望台からは青々と生い茂った松原が眼下に見え、遠く唐津城も見えました。天気が良ければ壱岐や対馬も見えるそうで、ふと陸前高田の松原もこんな感じだったのかな、と頭を過ぎりました。実際に砂浜へ行くと浸食も激しくなっているそうで、いつまでもこの自然豊かな海岸線が残る事を願わずにはいられませんでした。

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相変わらずの駆け足訪問になってしまいましたが、皆さんには本当に楽しい時間を作って戴きました。今回のタイトルのように、「絆」というものは些細なことがきっかけとなり、そこから戴いたご縁を行動することで繋げていくものだと確信しました。今回お会いした皆さんも、実際に東北へ行かれていなくてもそれぞれの立場・地域からずっと想いを寄せられています。何かの拍子に思いも依らない形で繋がって行く、それが偶然では無く必然であったとも感じます。東北と三重と九州、普通に考えれば接点があること自体不思議なんですが、実際にこうして繋がっていくんです。これからも全国の「点」と「点」が繋がって「線」になっていくことは間違いなくあると思います。一度繋がった線は、会えば会う程太くなっていくでしょうし、そこからまた新たな線に繋がっていきます。それを楽しみに、また色んな出会いに想いを馳せて九州を後にしました。Hさん、Nさん、本当にお世話になりました。またお会いする日を楽しみにしております。

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最後の写真が今回の全てを代弁してくれています。(●^o^●)

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