3月1日の第33弾のほとぼりも冷めぬうち、またしても岩手へ行って来ました。番外編とするか、第34弾とするか悩み所ですが、取り敢えず複数で行ったということで第34弾としてご報告させて戴きます。
今回の目的は2つ。一つは、前回のブログでもご報告していた耕運機のお届け。そしてもう一つは釜石で開催された「オールドカー・ミーティング」への参加でした。実は直前まで、この年度末・引っ越しシーズンの業界繁忙期に加え、今年は消費税増税目前という異常事態。更に昨年から慢性的な乗務員不足・車輌不足が相まって、この連休も行けるのかどうか危ぶまれていました。しかも直前になって天気予報が変わり、大雪・・・。普通に考えれば行けるはずが無い、むしろ行くべきではないという神様の思し召しだったのかもしれません。然し、「何とかなるさ」精神の強い私にとっては時として天も味方してくれるようです。今回は急な決定、天候等も考慮し、いつものあすなろメンバーには呼び掛けませんでした。仕事の流れで当社スタッフも今回は見送りとし、自分一人だけでも、と思っていたところ同業者仲間から応援の申し出がありました。平素仕事上でお付き合いさせて戴いている亀山市のY運送からM専務とK君が都合ついたから、と連絡がありました。M専務には耕運機の修理でも大変お世話になり、折角届けるのなら一度現地へ行きませんか?とお願いしていたんです。暫くして津のH運送のN君からも参加表明。何と、N君は21日に秋田へ納品する荷物があり、車輌手配が出来なかったからM専務にも応援要請し、2台で先行するといいます。こちらも22日午前中に山形県米沢市まで仕事があったため、午後8時頃K君と出発。3連休の渋滞覚悟でした。それでも順調に走り、午前8時には現地到着、荷卸しをして昼前に先行していた2台と合流。すぐに宮城県亘理町のSさん宅へ向かいました。庭先には我々の到着を心待ちにしていてくれたSさん、そのご家族総出で出迎えてくれました。
約3ヶ月振りの里帰りとなった2台の耕運機、慎重に卸してSさんに引き渡しです。エンジン、ちゃんとかかるかな・・・?そんな不安もすぐさま吹っ飛びました。スロットルを引くとエンジンが一発で始動、同時に不安そうだったSさんの顔が一気にほころびました。3年と10日ぶりに耕運機が息を吹き返した瞬間でした。完全に水没し、エンジン内部まで錆ついたり泥が入っていたものを2ヶ月近くかけて桑名のⅠさんが根気よく整備してくれたものです。Ⅰさん、M専務以外にも本当にたくさんの人がこの瞬間のために頑張ってくれたんです。3年ぶりで操作を忘れた、というSさんの飛びっきりの笑顔を見た瞬間にみんなの熱い想いに改めて感謝した次第です。
お孫さんのO君(5歳)が何故か異常に興奮して、あたかも自分へのモノだと言わんばかりに喜んでいましたが、もしかするとイチゴ農家のDNAが芽生えたのかも!いよいよこの耕運機でSさんは念願の露地栽培のイチゴ生産を始めます。本人の強い意志と、それに共感したたくさんの仲間の想いが実を結びました。ご協力戴いた皆さん、Sさんになり変って心より御礼申し上げます。
丁度昼だったのでお母さん手作りの郷土料理で全員ご馳走になりました。今の時期は「ホッキめし」。私は3度目ですが、今回のホッキめしは今までに無い程美味しく戴きました。M専務も修理の苦労話や震災時の話を聞いたり、N君も再会に話が弾んでいます。翌日が長女のSちゃんの誕生日だったので途中で用意したバースデーケーキも一緒に戴き、楽しい一時を過ごさせて戴きました。
さて、翌23日。午前8時半過ぎに釜石の「絆 釜石」さんの駐車場へ到着。既に前日から釜石入りしていたボランティアスタッフ・地元の皆さんも準備に取り掛かっています。各地から集まったオールドカー、ケータリングの車輌、イベントブースなど、3月1日にお邪魔した広い駐車場が埋め尽くされています。しかも前日はかなり雪が降り、総出で雪掻きまでされていたそうです。確かに寒いものの、天気は青空も少し見えたりしていたので、我々からの出し物、「ふわふわ こにゅうどうくん」の設置を決定。(雨天時にはNGなんです。)
メインイベントの邪魔にならないよう、地位車上の片隅でひっそりと準備をしていましたが、何せ高さ5m、直径10mのシロモノです。目立たない訳がありません。大人が6~7人で漸く運べるモノですが、我々は今回はあくまでも「参加」です。来場した子どもさんが遊べれば、という軽い気持ちでした。その点、いつも「あすなろ」としての活動に較べて気楽でした。
開会式が終わるとカメラを持ったマニア(?)が車の写真を撮ったり、オーナーさんとの車談義に花を咲かせたり、皆それぞれイベントを楽しんでいます。仕事上でも世話になっているT君も愛車「濱栄丸」(トラック)をステージカーとして参加しており、そのステージではロックバンドなどの演奏もあり、午後には地元大船渡市出身のシンガーソングライター、濱守栄子さんのステージもありました。代表曲「国道45号線」は岩手県トラック協会のイメージソングでもあります。物品販売ブースでは自動車部品から中古バイク、手作りアクセサリーなどなど。勿論、「MINIビン玉ストラップ」も発案者自らが販売していました。陸前高田や地元釜石からも前回お会いした顔ぶれが勢揃いです。正直、ひと月に2度も岩手へ、それも同じ場所へ来ることになるとは思ってもいませんでしたが、神様もこの最大の繁忙期に心憎い演出をしてくださったものです。
楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、気が付けば閉会時間も迫っています。最後の見せ場がやって来たのは午後2時過ぎ。地元鵜住居の青年会による「虎舞」の披露です。当日は「虎舞い」の大会があったそうで、出演者は通常よりかなり少なかったそうですが、それでも噂に聞いていた「虎舞」を目の前で、しかも至近距離で見られる機会なんて滅多にありません。迫力のある演武に引き込まれ、目前に迫った虎のヒゲに思わず触っている自分がいました。勇人君曰く、地元の者でもこんなに近くで見られる事はまず無い、とのことです。虎ヒゲのご利益があればいいんですが!
古来、虎は火を押さえる霊力があるといわれ、昔から何度も大火に襲われたこの地方が火災を鎮めるために行ったもので、今では市の無形文化財に指定されています。もし釜石へ行かれることがあれば絶対必見ですよ!
虎舞 ⇒ http://www16.plala.or.jp/kamaishi-kankou/KamaishiToramai.pdf
以上を持ちまして第34弾の活動報告とさせて戴きます。え?お前は何をしたのかって? 亘理でホッキ飯をご馳走になり、夕食に南三陸さんさん商店街で「三陸きらきら春告げ丼」(¥2,000の海鮮丼、アワビ丸ごと1個入ってました)という贅沢をし、イベント会場では牛タンを賞味し・・・すみません、本当に楽しく東北の味を体験して参りました。m(__)m