第29弾 活動報告書 その2 気仙沼大島夏まつり

盆前の慌ただしさにかまけて遅くなりましたが第29弾の2日目のご報告をさせて戴きます。実は今回の第29弾は直前まで滝の里だけで予定しておりました。初参加の当社ベテランドライバーの体調も考慮し、翌日はゆっくり帰ろうか、と想っていたからです。ところが、出発の10日程前でしたか、仙台の㈲プランニング開/山縣さんから「気仙沼へ」行けないか?」との打診を戴きました。山縣さんとは6月の亘理町の吉田保育所のふれあい交流会にお越し戴いたのがご縁で、偶然絵本等の関係で四日市のメリーゴーランドという子供向けの本や雑貨、各種教室やイベントを取り扱う会社との繋がりがありました。2日目は特に予定が無かったことに加え、島ではここ一年間程大きなイベントが無く、子どもたちが退屈しているとの情報に二つ返事で訪問を決めました。山縣さんは「NPOみやぎ・せんだい子どもの丘」も運営され、「笑顔バス」をご存じの方もいらっしゃるかと思います。

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肝心のご本人様の写真を取り忘れておりましたが、車体全てに「手描き」のイラストが施された「笑顔バス」であちらこちらへ訪問されています。

さて、そんな訳で急遽気仙沼へ伺うことになったんですが、問題はそこからです。「気仙沼のどの辺りですか?」・・・こちらは乏しい記憶の中から気仙沼の面瀬仮設や市民会館近くの仮設住宅など、これまでに訪問した場所を想像していましたが、山縣さんからの答えは「気仙沼・・・大島なんですよ、島!」 私たちも過去28度に亘りあちらこちらへお邪魔しましたが、まさか海を渡ることなど想像もしていませんでした。「え?島って、トラックやバスが乗れるフェリーあるんですか?」それからです。インターネットを叩きまくり、気仙沼からフェリーが運航していること、トラックは4台までなら乗れること、事前に予約が必要な事・・・。しかもこの日(7月28日)は海開きとのことで、翌朝すぐにフェリーの予約を入れました。「大型トラックなんですが、乗れますか?」との問いかけに受付の女性スタッフが「は?大型って、長さどれくらいですか?何しに来るんですか?」と聞き返してきました。どうやら、建設関係の大型平車や観光バスは乗船させた覚えがあるけど、大型のウィング車は初めてじゃないかな、との事。島で子ども向けのイベントを行うこと、トラックの大きさ、スタッフの人数を告げると「何時までやってます?私も行きたい!」と仕事も疎かになりかねない雰囲気でした。あれれ、これは想像以上に喜ばれるかも!とすぐに食材の追加などをしましたが、いかんせん、滝の里の分と併せてトラック1台では限度があります。こちらで配布するものもある程度確保し、次の課題、フェリー代の捻出です。私共も全くのボランティアですので資金は無く、その都度参加費や宿泊費を徴収したりバザーなどの臨時収入を充がって来ましたが流石にフェリー代までは予想しておらず、その旨を山縣さんにもお話しして双方で折半しようか、ということになり最終的にはご存じの通り「寄付金」をお願いする次第となりました。結果的には想像をはるかに超えるご協力を戴き、無事気仙沼大島へ渡ることが出来ました。改めて厚く御礼申し上げます。

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この日は雲が厚いものの、雨は止んでおり、山縣さんからご紹介戴いた大島での窓口・菅原さんのご尽力で悪天候の場合は島の「開発総合センター」を使わせて戴くことになっていたので気は楽です。本来センターの使用は有料だそうですが、今回は子どもたちのために来てくれるんだから、と館長さんたちのご厚意で無償提供して戴き、尚更成功させなきゃ、と力が入ります。港には菅原さんはじめ、住民の方数名が乗用車でお迎えに来て下さいました。少しでも経費を抑えるため、マイクロバスは気仙沼港に置き、スタッフは身体だけ乗船していたんです。送迎が無ければ会場までの数kmを歩こうか、と話していたんですが住民の皆さんのご厚意に甘えさせて戴きました。2~3名ずつ分乗し、目指す開発総合センターへ。高台にあるこの施設の周囲はのどかな風景が広がり、眼下には青い海も見えます。早速トラックを横付けして設営開始!前日は天候不良で出せなかった「ふわふわこにゅうどうくん」も体育館の中へ搬入し、引き続きゲームコーナー、応援物資配布コーナー、飲食ブースと準備に取り掛かります。2日目とあってスタッフの動きのいいことこの上なし。それに平行してちらほらと住民の方が集まって来て戴いています。中には浴衣姿の子供さんも。1週間前にチラシを作って送らせて戴いたのを島のスーパーや掲示板などに貼って戴いてあったのを見て来場されたそうです。

午前10時半の開会時刻には既に大勢の来場者で熱気ムンムン、天気も雲が切れて太陽が顔を出す、というコンディションに恵まれました。予想通り、ふわふわは子供さんに大人気。3分間の制限時間を設けたんですが、何度も何度も来てくれる子もいて、こんなに思いっ切り飛び跳ねたのは久し振り!との声に持って来て良かった、とつくづく思いました。私も含めたスタッフ数名も一緒に中で飛び跳ねましたが、確かに面白いもんです。調子に乗って宙返りを披露すると子どもたちから拍手喝采。年甲斐もなくハジケテしまいました。(^^ゞ

配布コーナーでは両手一杯に衣料品や消耗品、陶器などを持って満面の笑みを見せてくれるお母さん、おもちゃや絵本を大切そうに抱えている子供さん、これが全国から寄せられたものです、という説明に何度も何度も御礼を言われていました。ゲームコーナーでも次から次へと景品をGETする子どもたちの歓声が響き、飲食ブースでもスタッフが汗まみれでおもてなしをしています。

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さて、開会と同時に子どもさんたちが一斉に体育館へなだれ込みます。中にはこにゅうどうくんを目にして一瞬固まるチビッ子も。それでもお兄ちゃん・お姉ちゃんに促されて中に入るとすぐに飛び回っています。本来は着ぐるみ担当のN君を監視役に抜擢し、とにかく怪我のないように、と人数制限・時間制限をきっちり守ってもらいました。

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ここでは残念ながら「てこね寿司」は振舞えませんでしたが、そうめんや焼はまぐりは大好評、みたらしだんごもお母さん方に大受けで、以前和菓子職人さんも一緒に来てくれて和菓子教室やったよ、と話していると「それ、今度ここ(島)でもやって!」と早くもオファーを戴きました。子どもさんたちもスタッフにまとわりついたり、あちらこちらでスタッフと住民の方と会話が弾んでいる様子も見えます。ここでも流しそうめん初体験、という子どもさんが多かったので、またしてもイタズラ心がムクムクと頭をもたげました。そうめんを流すスタッフの横からタイミングを見計らってあるモノを投入です。

「あ~!金魚が流れて来た!」 「あれー、今度は恐竜が流れて来たよ!」 実は縁日コーナーで金魚すくいをやろうか、と思いながら結局出せなかったために残っていたビニール製の小さな金魚や恐竜、スーパーボールなどをそうめんと一緒に流したんです。どんな反応するかな?と楽しみにしていたんですが、予想以上の好感触についつい調子に乗ってしまい、持ち合わせの金魚やスーパーボールを全部流しちゃいました。厳しい親御さんからは衛生上良くない!とお目玉を喰らうところでしょうが、一応消毒もしたりはしましたので、お叱りを受けたら即中止&お詫びをするつもりでしたが、この日の保護者は本当に寛大な方が多かったようで、お叱りどころかもっと流せ、と催促まで戴く始末。いやはや、大阪でもこんなにノッテくれるんでしょうか。とにかく、子どもさんたちが喜んでくれれば何でもアリ、という私です。もちろん、金魚が流れるそうめん流しはここだけだよ、と釘は刺しておきましたが、間違った知識を植え付けてしまったならこの場を借りてお詫び申し上げます。m(__)m

本当はここでもウォーターバトルをやりたかったんですが、びしょ濡れになって船に乗る訳にもいかず、午後2時頃食材も完売したのを見計らって撤収開始です。船の時間が迫っていますので名残惜しいけれど1時間も掛からずに作業終了。現地の窓口の皆さんと記念写真を撮って、再び港まで送って戴きました。ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、この島には昔萩本欽一さんの番組に出ていた「気仙沼ちゃん」が民宿の女将さんとして住んでいます。何人かのスタッフはご厚意でその民宿の前を通ってきた、とのことでした。トラックは広い道を港へ向かいましたが途中に海水浴場が。ちらほらと人の姿が見えますが、あまりお客さんも入っていなかったようです。後から聞いた話では、子どもたちが楽しみにしていた海開きの日に我々がイベントを打ったため、みんなこちらへ来てくれたそうで、海水浴場の方には大変ご迷惑だったと思います。今年の猛暑で、その後大勢の海水浴客で賑わっていることをひたすらお祈りしている次第です。

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さて、港では最後に感激させられました。見送りに来て戴いた住民の皆さんから5色のテープを渡され、映画などでしか見たことの無かったお別れセレモニーを用意して戴いたんです。

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こうしてお見送りするのが島の風習だから、と言われても初めて体験する私やスタッフにとっては最高のお見送りでした。船が動き始め、デッキが閉じて人影が見えなくなる頃には涙腺が緩んでしまいました。菅原さん、お手伝い戴いた皆さん、そして来場して戴いた島の皆さん、素晴らしい思い出を作って戴き、本当に有難うございました。

と、ここで報告書をまとめれば綺麗に決められたんでしょうが、常に遊び心を忘れないのが「あすなろ応援便」です。出航直前に港の売店でM君が買い占めた(?)かっぱえびせんをスタッフに配り始めました。私も経験がありますが、遊覧船にはカモメが付いてきます。これは観光客がえびせんなどを投げるのを待ち構えているようで、大概の観光地では見られる光景です。早速船に並行して飛ぶカモメにえびせんを投げると見事な空中キャッチ!これを見て次から次へと「餌付け」に挑戦するスタッフ。先程までの感動はどこへやら、私もついつい仲間に加わってしまいました。じっと観察しているとカモメの視線が間近に見られ、そのうち指先から直接エサを咥えていくヤツも現れました。何度か指ごと咥えられましたが、港に着くまでしばしカモメとのふれあいも楽しめました。

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そんなこんなで楽しい船旅(航程20分)?を終えた一行は気仙沼港へ到着しましたが、港ではまだまだ震災時のままのモニュメントや半分水没したままの桟橋、解体中の家屋などが我々を現実に引き戻してくれました。港近くの第十八共徳丸のある鹿折地区も殆ど変わらずの風景ですが、この船体も震災遺構としては残さず、船会社の意向で解体撤去が決まったようです。復幸マルシェという仮設商店街へも立ち寄りました。お土産を買うのも一つの支援になります。東北でしか買えない、という勇人君のMiniビン玉ストラップ/レインボーカラーは残念ながら売り切れでしたが、それぞれが土産物を買い、それを地元で渡しながら今回の活動内容を話してくれていると思います。参加してくれたスタッフがそれぞれの職場や地域等で復興地の現状を伝えてくれることがこの未曽有の大震災を風化させない手段であり、また新たな参加希望者を増やしてくれるものと願って止みません。この日以降、全国で局地的な豪雨による災害が発生し、山口県や島根県、静岡、新潟、秋田とボランティアを必要とする地域が生じています。東北だけでなく、いつどこで何が起こるかも解りませんが、幸い我々は今の所こうしてお手伝いをさせて戴けます。勿論、当地も東海・東南海地震がいつ起こるかも知れないという不安はありますが、出来る時に出来る事を継続して行きたいと思っています。決して他人事ではなく、いつ自分がそのような立場になるかも知れません。この2年と5ヶ月の活動を通じて、いざ、と言う時のするべき事、やらねばならない事を知らず知らずの内に教えて戴いたように感じます。

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先日、復興予算が使われないまま残っている、といった報道がありました。復興事業に携わる企業が無く、仮に入札で工事を受注しても人手が確保出来ずに工事に掛かれない、建築資材の価格が高騰している、自治体の復興計画が決まらなかったり、中断や延期で工事が一向に進まない、といった深刻な事態に陥っています。福島では新たに放射能に汚染された地下水の問題が出て来るなど、2年半経っても住民の皆さんが普通の生活を取り戻し、将来に希望を持てるようになるにはまだまだ時間が掛かります。毎日不安と不自由な生活に耐えながら、それでも前を向いていこう、という人々の少しでもお手伝いがこれからも続けて行けることを願い、第29弾の活動報告とさせて戴きます。第29弾に際し、ご協力・ご支援戴きました皆様、本当にありがとうございました。

 

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第29弾 活動報告書 その2 気仙沼大島夏まつり への4件のフィードバック

  1. 菅原 のコメント:

    本当にありがとうございました(*^▽^*)

    あのときいただいたオモチャで、いまもあそんでますし、物資も大変助かりました。

    まさか、あんなに楽しいお祭りだったとは(^○^)

    焼きはまぐり、初体験、とてもおいしかったです、

    お体に 気を付けて、活動してください。

    • 樋口 のコメント:

      菅原さん、返事が遅くなって申し訳ありません。活動報告書を作っていたら大島での楽しい時間が鮮明に思い出され、是非とも再度お邪魔したい、と考えています。何かとお忙しい中、会場の手配などお手数をお掛けして申し訳ありませんでした。住民の皆様にも温かく接して戴き、スタッフ一同本当に行って良かった、と申しております。準備不足で必ずしもご満足いただける内容では無かったと想いますが、次に機会を戴ければ更に喜んで戴けるよう努力します。まだまだご苦労も多い事とは存じますが、お身体に気をつけられ、住民の皆さんのためにも益々のご活躍を祈念申し上げ、御礼の言葉とさせて戴きます。本当に有難うございました。

  2. MADRE のコメント:

    お疲れ様でした。体調は戻られましたか?
    子ども達だけでなく、大人の方達も記憶に残る夏になったようですね。笑顔を見ているだけで、とても幸せな気分になります。

    • 樋口 のコメント:

      MADREさん、色々ご心配をお掛けしました。体調悪くてもバカ騒ぎしている内にいつの間にか治っていました。(勇人君に移したからかも?) 今回は本当に自分自身が楽しませてもらいました。住民の皆さんと一緒に何かのイベントを作り上げることがようやく出来た、と実感しています。今後の活動にも色々と勉強になる素晴らしい機会を戴きました。何かとご協力戴き、本当にありがとうございます。

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