あすなろ応援便 第24弾 活動報告書

今年の最終便、第24弾も無事帰って参りました。先ずは今回の活動に際し、貴重な支援物資のご提供を戴いた皆様、支援金をご寄付戴いた皆様、心より御礼申し上げます。そして、参加出来ない代りにと東奔西走して資金や物資の調達などに尽力してくれた宮大工の森田さん、3日連続で仕分けに駆け付けて戴いた池添さん、そして厳寒を覚悟の上で参加してくれたスタッフの皆さん、本当に有難うございました。

 

今回は12月14日金曜日、一部のメンバーが仕事の都合があり、当初18時出発のところを1時間繰り下げたのですが、急遽SOSで運ぶことになった荷物の生産が遅れたために出発出来たのは午後7時半を回っていました。今年も時間通りに出発出来ない応援便、早くもこの後のスケジュールに暗雲が立ち込めます。

それでも気を取り直して出発。今回は大型車と4t車、それにワゴン車で総勢10名です。当初マイクロバスを押さえてあったものの参加者が少なかったことと、肝心のスタッドレスタイヤを装着してなく、チェーンも無いとのことで安全第一にスタッドレスに履き替えたばかりの我が愛車を提供しました。

いつも通りみえ川越ICから伊勢湾岸道、東名高速と順調に走り、首都高速は少し遠回りですがスカイツリーの真横を通る向島線を走り(ライトアップは終了していたので意味が無かった・・・)、東北道へ。いつもなら既に眠気に襲われているはずがこの日は何故か目が持ち、栃木県の上河内SAまで突っ走りました。燃料を補給し、走りだすと窓ガラスに水滴が。雨です。何を隠そう、スタッフのN先生が同行して戴くときは必ず雨なんです。先月は雨に加え、強風、雷、虹も見れましたが垂直に「落ちる」流れ星まで目撃。過去の報告書を見て戴いてもお解りの通り、大雪の日でも配布会の間は青空が見られるまでの「晴男」を自負していた私ですが、どうもN先生のパワーが上回っているようです。これで4戦4敗。来年は絶対に逆転します!

そんなことを言っている内に目的地の陸前高田市/下矢作保育園へ午前9時に到着。夏まつり以来4ヶ月ぶり2度目の訪問ですが、先生の開口一番に出た言葉が「今日は早かったね~」でした。どうも前回(先発隊2時間遅れ、バスの故障で残りは7時間遅れ)の失態を覚えておられたようです。^^;

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早速準備を始めますが、相変わらずの雨で園庭はグチャグチャ、サプライズで用意していた「ふわふわ こにゅうどうくん」を出すことが出来ません。園舎内で餅つきの準備していた園長先生からは「午前中に子どもたちだけの餅つきすっから!」とのことで、先ずはホールに入ります。すでに園児たち(近くの保育園児さんも招待されていました)約50名がクリスマスの歌を歌っています。すぐに餅つきの準備がされ、手始めに先生方が2組に分かれて元気よく搗き始めると、子どもたちからも早く搗かせて、のリクエストが飛び始めます。みんな壁際の椅子に並んで座っていますが、今にも飛び出しかねない様子。早速、第2サプライズの投入です。先生にも黙っていましたが、我らがあすなろ事務局長の寺本君が四日市市の観光課を脅して、いやお願いして借りてきた「こにゅうどうくん」の着ぐるみの登場です。一瞬、何が出て来たのかと怯えて泣き出す子もちらほらいましたが、何と言っても今年850体を超えるエントリーのあった「ゆるキャラ グランプリ」で堂々83位にランクインした愛くるしい(?)顔に園児たちもすぐに慣れてくれました。中身は当社期待の新人中川君22歳ですが、事前打ち合わせもない突然のムチャ振りにも関わらず、ひょうきんな動作であっという間に園児のハートを掴んでしまいました。恐るべし、中川君。 急にお願いしたのも申し訳なかったので、更に高感度アップを狙ったサプライズ第3弾。前日長野県で仕入れて来た「アルプス乙女」という姫リンゴを籠に入れてこにゅうどうくんから園児一人一人に手渡ししてもらいました。

 

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思えば昨年はこにゅうどうくん、大船渡で凧揚げをしていました。今年は勿論餅つき。だんだんと小技を身に着け、ゆくゆくはあの「ガチャピン」のようにスキーやダイビングなど「アクティブなゆるキャラ」に育てたいと密かに考えています。

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昨年もそうでしたが、東北は「餅文化」の土地です。地域の高齢者の皆さんは誰もが餅つきはお手のもの。案の定、我々あすなろスタッフが餅つきを出来たのは午前の子供の部のみ。それも先生方が頑張って戴いたのでほんのお手伝い程度で、午後の大人の部では全く出る幕はありませんでした。何せ、30kgのもち米、5kgのきな粉、8kgの餡子と1kgの上白糖は全て参加者の胃袋に収まってしまうんですから、今回はクリスマス会と言うより餅つき大会になってしまいそうでした。

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しかし、当初の目的はあくまでもクリスマス会。子どもたちへのプレゼントは皆さんから送って戴いたおもちゃやお菓子、文具などありますが、夏まつりに出来なかった「工作教室」を再度持ち込み、みんなで楽しい一時を過ごしました。年少組は貝殻アート。夏に拾って来た貝殻に接着剤を塗り、星やハートなどの飾りを貼り付けるだけの単純なものですが、驚くべきは子どもの想像力。色の配色にこだわる子、バランス重視の子・・・それぞれ個性が光ります。一方、年中・年長組は「アロマキャンドル」を作りました。こちらも夏からずっと温めていた(?)材料で思い思いのキャンドルを作りました。

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園児たちもとびっきりの笑顔を見せてくれましたが、それ以上にスタッフが楽しませて戴いたかも知れません。それでも、私の人生のアルバムにまた素晴らしい思い出を綴ることが出来ました。

さて、午後からは配布会の開催です。何せ、夜通し走って来て朝から休む間もなく次から次へと催し物を繰り出すんですから初参加のスタッフは恐らく面喰らったと思います。でも、これが「あすなろ流」なんです。限られた時間でどれだけ笑顔をみられるか、とこちらも必死ですから!

 

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今回はミカンや白菜、ネギ、大根といった農産物の提供もありました。200個の白菜も何もかもほぼ完売。手作りのマスコットやアクセサリー、メッセージキャンディなども相変わらず大好評で、作って戴いた方への感謝の言葉をたくさん頂戴しました。

天気が良ければまだ隠しネタがありました。「ふわふわ こにゅうどうくん」です。ここの園庭は水はけが悪いとのことで、今の時期は夜中に湿った土が凍り、陽が昇ると溶けてグチャグチャになるとのことです。この日は雨も止まなかったために断念せざるを得ませんでした。確かに翌日、大型車がぬかるみでタイヤが滑って出られなかったことも付け加えておきます。最終的には4t車で引っ張って脱出しましたが、園庭を掻き回して大変な状態にしてしまいました。園長先生、ごめんなさい。m(__)m

 

さて、翌日。この日は朝から暖かさを感じる天候でしたが、風がめちゃくちゃ強い一日となりました。小柄なスタッフはよろめいてしまい、トラックも風の煽りを受けてまっすぐに走れません。それでも恒例の現地見学に回りました。陸前高田の中心部を案内しましたが、先月よりも解体作業が進んでいるように思えました。高田松原の道の駅の辺りは地盤沈下で池のようになっています。そこには白鳥が十数羽飛来していました。昨年は見かけなかったのですが、白鳥もてっきり池か湖と勘違いしたんでしょう。

 

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トラックの屋根よりも高い瓦礫の山     県立病院は日曜日でも解体作業中。

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市役所の玄関前には絶えることなく献花が続きます。庁舎はまだ手付かずのまま。

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左の写真は陸前高田駅のロータリー前から西を見た風景。かつての市街地中心部が現在は荒野と化しています。

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魚も居ない「池」で羽根を休める白鳥たち。

折りしもこの日は衆議院選挙の投票日でした。結果はご周知の通りです。新政権には一刻も早く復興に取り組んで戴きたいものです。

 

さて、陸前高田市を後にし、次に向かったのが南三陸町。目的は四日市のボランティアグループから気仙沼消防団へお届けするビールの配達です。コンビニの駐車場で気仙沼消防のOさんと合流し、トラックから乗用車へ全員で手渡しリレーです。これは四日市で開催されたイベントの収益金(募金)でビール券を購入し、その使い道を打診したところ気仙沼消防団の新年会用に、ということになり我々に依頼があったのです。他のボランティア団体さんから要請が増えてきたということはちょっと有名になったかな?

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乗用車に積替え完了後、Oさんを囲んで記念撮影。

一行はこの後石巻市のにっこりサンパーク仮設団地へ。ここへは長野県の短大の先生からご依頼戴いた雛人形などの物資を、また今回同行した岐阜県安八郡のNPO法人「ピープルズコミュニティ」の安田代表・石塚氏と付き合いのある現地のボランティアグループの方への物資の引き渡しが目的でした。強風下、写真を撮る余裕もありませんでしたが5ヶ月の「もこちゃん」の笑顔に癒され、元気なお母さんがたとしばしの歓談でお暇しました。ここは投票所になっており、物資配布会が出来なかったのは残念ですがいずれ機会があれば再度訪れたい場所です。すぐ近くに未だ4名の児童が行方不明のままである「大川小学校」があります。車が無ければ不便な場所で、確かに事前に聞いていた通り、周辺には店舗が全くない場所でした。これでは小さな子供を抱えたお母さんや高齢者が不自由な生活を余議なくされているのも納得です。

ここで大型車とスタッフ4名を先に帰らせ、残ったメンバーで最終訪問地の亘理町へ。

ちょうど1年前、亘理町の神明社へ祭壇を運ばせて戴きました。もうすぐ2度目の正月を迎えますが、その後どうなっているか気になっていました。相変わらず何も無い道路を神明社に向かっていくと、見慣れた建物(旧集落センター)の横に何やら立てられています。近づくと、驚いたことに新たにお社が建てられていました。まだ完成ではないようですが、恐らく新年には間に合うでしょう。氏子さんたちの強い気持ちがあったのでしょうね。今度の初詣は仮の神社では無く、小さくてもちゃんと復活した神明社で迎えられますね。今度来るときには鳥居や狛犬などが建立され、「神社」らしくなっているだろうな、とまた一つ楽しみが出来ました。その後、いつもお世話になっているSさん宅へ表敬訪問。相変わらず元気一杯の子供さん達と一緒に心尽くしの手料理を戴き、獲れたての野菜やリンゴ、女性には震災後に作られた苺ワインをお土産に頂戴し、一同大満足の内に帰途に就きました。

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今回も出発前から色んな方にご縁を戴き、訪問する先々で素晴らしい思い出や感動を戴いて来ました。宿泊先には釜石の佐々木さん、名古屋の杉浦さんもお越し戴きました。杉浦さんも栃木の倉本社長と同様に佐々木さんのブログがきっかけで知り合い、熱心に支援活動をされながら自らの本業でも東北に営業所を開設された筋金入りの支援者です。こんな素晴らしい人達と知り合えるのも活動を継続して来たからこそで、これは自分にとっても、また参加してくれるスタッフにとっても何よりの報いだと感謝しています。来年も素晴らしい感動と出会いを皆様にもお伝えできるよう、それぞれが出来る範囲で、得意な分野を発揮できるような内容で活動を充実させて戴きたいと思っております。年内はこれが最終便となりましたが、今年一年間、毎回本当にたくさんのご支援・ご協力を戴きました事、改めてこの場をお借りして心より御礼申し上げます。明年が皆様にとって素晴らしい年になりますことを祈念申し上げ、第24弾の活動報告書とさせて戴きます。本当に有難うございました。

 

番外編

 三重県四日市市にある「夢菓子工房 ことよ」さん。

 今年は本当に「あすなろ応援便」に対し温かなご協力を戴きました。その御礼も込め、店主である岡本伸治社長の渾身の作をご紹介します。

 

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進水式のお祝いの日本酒にオリジナルラベルを描いて戴きました。

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今回のクリスマス会に向けて作って戴いた「和菓子」です。園児たちが食べるのを相当躊躇っていたそうです。

岡本社長はかつて「TVチャンピオン」にも出演されていますのでご存じの方も多いかと存じますが、ホームページも作られていますので詳細は「夢菓子工房ことよ」で検索してご覧戴ければ幸いです。

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あすなろ応援便 第24弾 活動報告書 への2件のフィードバック

  1. MADRE のコメント:

    活動報告ありがとうございました。
    ふわふわこにゅうどうくんの出番がなかったのは残念でしたね。子供たち喜んだでしょうに。
    でも、子供たちの笑顔はたくさん見れたようですね。
    あの可愛いクリスマス和菓子を食べるのは大人でも躊躇しますよね。
    楽しいクリスマス会になって、大人も子供もいい思い出ができたことでしょう。
    お疲れ様でした。
     

    • 樋口 のコメント:

      MADREさん、メッセージありがとうございます。ふわふわは残念でしたが、子どもたちの笑顔を見られただけでも大満足です。来年はこの和菓子を持って、「野点」をしてみたいと目論んでいます。

      今年一年、本当にお世話になりました。また来年も引き続き温かなご支援・ご協力を戴きます様心よりお願い申し上げます。

       

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